非正規雇用の問題

現在は、不況の時代となったこともあり、労働市場は二極化しているといわれています。
人材派遣業は、労働格差の根源となっているともいわれています。
退職後の就業形態として、また、自由な就業形態として、企業側のコスト削減に繋がり利益を生み出すための選択肢として人材派遣は自由な面を持つ反面、派遣社員のほとんどは登録型派遣で、その中のほとんどの労働者は、本来、正規雇用を希望しているといわれています。
企業の正規雇用者の割合が減少する中で、派遣社員としての雇用形態が増加していることが、労働格差の拡大に繋がっているのです。
いつ仕事がなくなるかわからない、仕事に就いても短期間しか働くことができず、生活における経済的基盤が安定しません。
こうした状況に追い込まれ、場当たり的な犯罪が発生するという、最悪のケースも起こっているのが現状です。
人材派遣とは、本来、派遣先企業からの要請を受け、最適な労働者を派遣する事業となっています。
そのため、派遣先に労働者を紹介してはならないと定められているのですが、事前に面談が行われるなどの好意が行われているのです。
こうした行為は、パワーハラスメントに当たるとされていますが、企業側である経済界からは、事前の面接を解禁するような要望があがっているのです。
コスト削減の観点からは、非正規雇用者を必要な期間だけ採用することが望ましいと考えられていますが、自社に愛着を持てず、品質やサービスの質が落ちることに繋がっているという指摘があることも事実です。
さらに、少子高齢社会の到来により雇用が安定せず、国際競争力の低下を招いているともいわれています。
また、派遣社員で業務をまかなうことができれば、正社員の意味がなくなるという懸念も出てきます。
しかし、現実的には派遣社員を正社員に登用することは、ほとんど行われていません。
派遣労働者は、3ヶ月以上継続して雇用される場合、人材派遣健康保険組合に加入することが義務化されていますが、以前は、意図的に法律を無視する企業が横行し、制度が見直されました。
しかし、3ヶ月以内であれば保険に加入する義務がないので、期間を限定し雇用されている人が多く存在していることが事実です。
そして、派遣先企業が派遣会社に支払わなければならない金額は、実際に労働者に支払う金額とは異なり、マージンが高いことが問題視されています。
しかし、労働者がもらうべき労働対価が収入源となっているため、派遣会社が企業として成り立つためには仕方がないという仕組みになっているのです。
派遣労働者にとっては、高度な技術を身につけた人材が高額な給与と時間的に余裕を持ちながら、自由度が高い派遣先を選択することができますが、メリットがあるのは一部の派遣労働者だけだといわれています。
人材派遣業は、労働格差の根源となっているといわれており、労働者は、本来、正規雇用を希望しています。
雇用が安定せず、派遣先企業が支払うマージンが高いなどの問題点が指摘されています。